カムカムエヴリバディ 安子編 10話+予告
勇ちゃんツンデレの時代は終わった
勇ちゃん…君のキャラはヒーローとしては時代遅れなのだ。
彼の造形は、十年…二十年前なら、少女漫画における王道ヒーローだったんだけどね…。主人公に素直になれず、つい憎まれ口を叩いてしまい、結局喧嘩になっちゃうという。
喧嘩によってヒロインとコミュニケーションを重ねていき、結果的にお互いを深く理解していく関係。
ツンデレという言葉の発明は偉大だった。
でも時代は変わっちゃったのだ。勇ちゃん戦前の男だというのはこの際無視する。今は令和だ。
甲子園に出られたら告白する。
フラグである。
なぜ、甲子園に出られたら告白なのか? 別に告白などいつしたっていい。甲子園の予選負けちゃったけど、お前のこと好きだわ、って言ったっていい。
それはもちろん、彼のコンプレックスのせいで、その原因といえば優秀な長男の影になっている次男という立場がそうさせている。雉真の両親の稔さんへの態度見てればわかる。
だけど、それは安子には関係ないことなんだよねー。
残酷なことに、安子は勇ちゃんに全く興味がない。多少の言い合いはするけど、彼女が彼に対して理解を深めていくことはない。現実のツンデレはただうっとうしいだけなのだ…。
安子が稔さんを好きになり、好きな人である稔さんが勇ちゃんのことを褒めたから、やっと彼のことを理解しようとしただけである。しょっちゅう会ってるのに、安子にとっての勇ちゃん像は稔さんというフィルターを通して見るようになっただけなのだ。
甲子園が駄目になったところで、安子があくまでも稔経由で自分を見ていることを思い知らされた勇ちゃん。
思わず抱きしめたところで、安子の驚いた顔は彼を全く男だと認識してなかったことを思い知らされた勇ちゃん。
甲子園は家族に認めさせるための手段で、安子のことは甲子園出場のご褒美のように考えていたともいえる。
それが報いみたいな形になっちゃったんだよね。さすがにそこまで痛めつけなくても…と思わないでもない。ただ、この容赦ない試練から勇ちゃんが、来週安子のために稔さんを殴って*1発破をかけるのなら、大きな成長になるんじゃないかなあ。
というわけでなぜか勇ちゃんについて熱く語ってしまった。
来週は戦時中が舞台になるし、当然のごとく雉真家両親は稔さんと安子の結婚に反対するようだし、算太は絶対竹元先生*2やミュージックティ*3みたいにどこかに逃げ延びてると思ったのに出征するみたいで、これは見ててしんどそうだなあ…。