カムカムエヴリバディ 安子編 34話
大爆発
千吉さんから安子の立場が宙ぶらりんのまま、と指摘されてたけど、そろそろ誰かがキツイこと言ってくるんじゃないか…と思ったら、雪衣がついに耐えきれずに爆発してしまった。
まあ…美都里がいるときは、たとえ寝たきりでも雉真家の奥様だから、安子がその上飛び越えて奥様として振る舞うことはできないのだけど、美都里亡きあと、じゃあその後釜に収まるかというと…難しいんだよね。
千吉さんは稔亡き後、安子を再婚させようとしたから、彼女を美都里の後継者としては全く考えてなかったと思う。あの当時の普通として考えるなら、勇の奥様がそうなるべきだろうし。
仙吉さんは本心ではずっと安子を家族として認めてなかったんだろうなあ。おはぎを売ることを許していたのも、安子は家族じゃないから。
とはいえその辺の機微は、今までなあなあで流して来たんだけど、美都里が亡くなったので、そろそろ雉真家の女主人を決めなきゃいけなくなったと。
千吉さんは決して話のわからない悪い人ではなく、当時の女性の幸せをちゃんと考えていろいろ行動していたと思うんだけど、あくまでも「当時の女性」という大きな主語で考えてて、安子自身の望みに寄り添ってはいないんだよね。これは美都里に対してもそうだったけど。
愛があっても、それが愛する人にとっての正しい行動が取れるわけではないのだ。
そのへんのなあなあで見て見ぬ振りしてきた安子の扱いが、当時の女性の常識的な行動原理で動く雪衣にとっては、めちゃくちゃ気持ち悪かったんじゃないかなあ。
算太の下心ある行動が雪衣の本心を引き出しちゃったけど、彼女の言ってることは思いやりはなくとも、他人から見れば安子は未亡人として母親として、義務も果たさず何がしたいん? って腹立たしく見えてしまうのも仕方ないかもしれない。
なお、雪衣を責める勇ちゃんじゃけど、彼は彼でかつて稔と浴衣デート中の安子に「お前は兄さんに相応しくない」とか言っちゃってるのだった……。
安子が何をしたいかというのは、たちばな再興もだけど、結局は自分自身の居場所探しだよね。雉真家に彼女の居場所はない。るいの母親としてそばにいるだけでは、自分の中のポテンシャルを持て余してしまっている。
ロバートから英語教室の教材づくりを提案されて、新しい仕事ができたと目を輝かせてる安子に、雉真家に繋ぎ止められる勇ちゃんとの結婚話は…ないよなあ…と思うんだが。
さて、ひなたの道はどこに向かう。