カムカムエヴリバディ 安子編 31話
放蕩息子のたとえ
算太がクリスマスに帰ってきた!
ってやりたかったのは分かった。もうええ。
しかし、せっかく命からがら帰ってきて良かったね、とはならず。
雉真家での算太の言動があまりにも無遠慮で、雪衣さんにはセクハラかますし、安子には下衆な物言いをするしで、算太は確かに借金取りに追われたりしてあまり素行は良くなかったものの、こんな人間だったか…? と思ったところで突然美都里さん登場。
稔さんが帰ってこなかったのに、なんでお前が帰ってきたんだとか恨み言でも言うのかと思いきや、優しく算太を抱擁。
「あほじゃねぇ。生きとるだけで、ええんじゃ」
本当は稔さんに言いたかった言葉、そして金太さんや小しずさんが言いたかった言葉、算太が聞きたかった言葉。
死線を越えてやっと帰ってきた故郷は、妹以外は皆死んでいたと聞かされた算太の気持ちを考えれば、頭の中はおそらくぐちゃぐちゃだったと思う。
しかも算太は「ダンサーになる」と言って家を飛び出して、結局借金で実家に迷惑をかけて、父親に勘当されてるから、どこかで両親に恩返しをしなければという気持ちもあっただろうけど、それはもう叶わない夢になってしまった。
そういう彼の中の苦しみを美都里さんが母親のカンで見抜いた。
彼女もようやく稔さんの喪失を乗り越え、今度は泣いている子供を癒やすことができるようになったことに、涙が止まらない。