おかえりモネ85回
本日のすがもね
勝どきを上げよーーー!
モネと菅波先生をつなぐように背後にあった橋は、勝鬨橋という名前だそうで。
大勝利じゃないですか。
モネは今まで色んな人から強い感情をぶつけられて反論するどころか、まともに受け止め過ぎちゃってるのでは、と心配になるぐらいいつもぐっとこらえていたんだけど、ようやく菅波先生に自分の制御できない「寂しい」という気持ちをぶつけて、しっかり受け止めてもらえて、ほんと良かった…。
菅波先生も、モネの話を聞いていて、彼女とすぐ会わなきゃいけないって気づいたし、ここぞというところで投げつけられた合鍵をキャッチ出来たし、外さない男だよなあ。
ここで思い出すのが、スーちゃんがかつて言った「約束して会うことが大事」「自分が大好きで、相手も好きでいてくれる瞬間なんて一瞬しかない」「次の日には変わってしまうかもしれない」という彼女の例のアドバイスをまさに菅波先生が実行してるんだよね。モネは菅波先生とのすれ違いの寂しさに限界を迎えてたから。
しかしまあモネが会えなくて寂しい、合鍵もらった分、かえって不在が辛いと言ったときに菅波先生が浮かべた(うわ、かわいい)とでも言いたげな表情に、貴様ジョーズに食われてしまえと一瞬思いました。
ところで引っ越しの準備を手伝ってるモネに対して「見られて困るものはなにもない」「そんなことのために合鍵を渡したわけじゃない」とか、ほほう、それはどういう意味だね? 詳しく聞かせてもらおうじゃないか(震え) とテレビに突っ込んでおりましたよ。
どういう意味なんだね?
本日の菜津さん
「人は傷つく必要なんてない」
自分にはつらい経験がないことが弱点なんじゃないかとモネに向かって吐露したマリアンナ莉子に対し、菜津さんは傷ついて立ち上がれない人もいると伝えたんだけど、ここ、モネと視聴者は彼女が誰のことを言ってるのかちゃんと分かるんだよね*1。
苦労をバネにして出世した話というのは聞いていてスカッとするけど、これは生存バイアスであって、苦労して傷ついてそのままもがいてる人もたくさんいる。
かつては苦労することが人を成長させるとよく言われたけど、千尋の谷に突き落とされてそのまま大怪我して這い上がれない人のことは誰も語ろうとしないのだ。
以下はちょっと飛躍した話。
菜津さんがマリアンナ莉子とモネに対して「そっち側の人」という言い方をしたのだけど、これはある意味「朝ドラヒロイン」になれる人となれない人、でもあるかなあと思った。
朝ドラには、有名人の夫を支えて出世させる妻というジャンル(ジャンル?)があるのだけど*2、菜津さんは引きこもりになってしまった幼馴染のヒロくんを、幼馴染という関係のまま支えているわけで。
貧乏したり苦労したりしてもいずれ夫が出世すると約束されているヒロインに対し、この先傷ついた精神が治るかどうかも分からず、ずっと苦しみ続けてる幼馴染を支えるヒロイン…それは朝ドラにはならないんだよね。だけど、世の中には「こちら側」の人たちもたくさんいる。
朝ドラに以前出演したマイコさんが演じてるからこそ、朝ドラでは描けないヒロインのことも思いやることは大事なのだと思う。
本日の神野マリアンナ莉子
今回の話は「若くて可愛い女の子」という属性への信用問題がテーマになってるんだけど、これはテレビ番組という場所になると「若くて可愛い」が求められるものの、「若くて可愛い」人は珍しくもなんともないので、どこで差別化していくか…というちょっとひねった話だったんじゃなかな。
朝岡さんもその部分は思うところがあるようだけど、視聴者に今すぐ変われというのも無茶で、「若くて可愛い女の子」に対する偏見を信用と説得力で変えていくしかない。
それでも莉子が戦うことを諦めずにすんだのは、その場所を守ると言った高村さんと、あなたはそのままでいいと言ってくれた菜津さんのおかげであり、そっちの世界とこっちの世界両方で、それぞれ社会に傷つけられ苦労した先達の女性たちが若い彼女を守ろうとしている心意気は、本当に素晴らしかったよね。