山盛りごはん三杯

映画、ドラマ鑑賞記録

連続テレビ小説「おしん」:地獄と噂のゾンビランド佐賀編を見終えました…(1)

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4月から始まった、おしんの再放送ですが、気軽に見始めて、今どっぷりとハマっています。朝ドラ大好きな家人も、最初は「別に…」と言って特に見ようとはしてなかったのですが、今年のGWの10連休にたまたま観て、その後録画して前のめりで見るようになってます。

実はおしんは全く観てなくて、「おしんのしんは辛抱のしん」なんて言葉だけなんとなーく覚えてるぐらい。辛い環境でも我慢して耐えることを美徳とする辛気くさーい話なんかなーなんて印象でした。

ところが実際観てみたら、全然そんな話じゃない……というか、もちろんおしんは色々辛い目に遭うんだけど、あまりにも酷い環境で、我慢しても自分にメリットがないと判断するやいなや、そこからとっとと逃げ出しちゃうんですよね。

おしん、全然辛抱してなかった。しかも、逃げ出したあと、割とご都合主義的に助けられたりもする。なので、おしんちゃん大変だ…かわいそうで観てられない…ばかりではなく、彼女のゴリラなメンタルと行動力が次々と試され、鍛えられる展開も夢中になって見守るようになりました。

 

地獄の佐賀編とはなんだ?

さて、大好評の子供時代が終わり、おしんは製糸工場で苦労した挙げ句に死んでしまった姉の代わりに、髪結いという目標を得て東京で修行、仕事に恋に友情にとまさに青春真っ只中の展開に突入するのですが、気になって来たのが視聴済みの方々が口にする「地獄の佐賀編」。

話によれば、この佐賀編でおしんが姑にいびり倒される描写が壮絶で、佐賀県のイメージがめちゃくちゃ悪くなり、佐賀に嫁に出さないとか、佐賀はそんなところじゃないと県が釈明したとか。

しかし、「佐賀編は耐えられない」「佐賀編があるから再放送観られない」など、ネガティブな声が聞こえてくるんですよね。

一体何があったのかと震えているうちに、おしんは佐賀出身のチャラい男にストーカーされ、あろうことか投げやり気味にプロポーズを受け入れてしまってました。ああ待っておしん

 

佐賀の男はあかん……(らしい)!

 

と震えているうちに、おしんと佐賀から来た男竜三は結婚して、二人でラブラブの新婚生活を送りつつ、子どもの既製服という商売も成功させ事業拡大とトントン拍子に成功してました。

しかし、チコちゃんは知っています。このあと、東京が大変なことになることを。つい最近、いだてんで観たから……。

 

新工場完成の日、まさかの…

 

そう、竜三が借金して建てた新工場完成のお祝いの日、関東大震災が来るんですね。

おしんと竜三夫婦は家も事業も、そして二人の親代わりみたいに仕えてくれた源じいも、すべてを無くしてしまうわけです。

そして、竜三はおしんがもう一度やり直そうと言う励ましの言葉も聞かず、おぼっちゃまで打たれ弱い三男坊は、田舎へ帰ろうと歌いながらおしんと向かうことになるわけです。佐賀へ。

 

この、多少の逆境なんかへとも思わず、今まで髪結の仕事も子供服の商売も成功させてきたおしんが、ここで一度すべてを天災で失った状態で佐賀に逃げる、という異常な状況で東京を出るというのは、頭に置いておかないといけないんですよね。

 

おしんは割とダメな環境に対しての見切りが早いんで、実は大失敗や挫折は経験がなかったんですよね。だから、これが彼女の初めての挫折になるんでしょうか。

 

おしんの精神状態は普通ではなかった

 

おたかさんの髪結には、加賀屋で仕込まれた家事スキルで職場に入ることに成功し、竜三との結婚後は、在庫の生地を露天で売りさばき、折からの洋装ブームに乗っかり、子供服の商売を当てる*1

彼女自身は今までの人生を若さと才気で攻めて来て、子どもも生まれ、夫婦仲は良くなり、人生絶好調だった。竜三の言い出した新工場設立に嫌な予感はしたものの、結局折れた結果がまさかの大震災で工場壊滅という。

しかも、おしんを理解し、支えてくれた源じいは雄を守って死んでしまった。

これはさすがにおしんも想定外だったでしょう。

いろいろ理不尽な目に遭ってきた彼女ですが、助けてくれる人も現れ、自分自身の力でやってこれた自負もあったんですよね。ところが、天災は努力も我慢も気合いも全部吹き飛ばしてしまった。彼女自身、自覚はないですが、商売を潰され、大切な源じいもしなせ、夫と子どもとだけになってしまった。

姑が自分を嫁として認めてないのはわかっている。舅の大五郎はおしんの前で妻の清がいかにダメな女か以前愚痴り倒していってるので、清に対して楽観的に考えることはできないわけです。

 

佐賀に行きたくないと泣いて竜三にすがったものの、子供のために佐賀へ行けと言ったのは意外なことにおしんの母ふじ。溺愛というレベルでおしんをかわいがってるおふじですが、子供のために夫とともに夫の実家へ行けと背中を押すのです。

それが、この時代の常識だから。

子どものために女は多少の辛抱を受け入れなければいけない。

 

こうして、おしんはなすすべもなく母と夫に善意から促された地獄への道をあるき出すわけですが…。

 

(以下続く)

*1:しかも、製糸工場で死んだ姉と同じ轍を踏まないよう、従業員が病気になったときにちゃんと休ませるホワイトな職場を徹底