山盛りごはん三杯

映画、ドラマ鑑賞記録

映画/ガタカ

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 遺伝子操作により管理された近未来。宇宙飛行士を夢見る青年ビンセントは、劣性の遺伝子のため希望の無い生活を送っていた。そんなある日、ビンセントは闇業者の手配により、事故により身障者となった優秀な遺伝子をもつ元エリート、ジェロームに成りすます偽装の契約を結ぶ。そうして、ジェロームの遺伝子を借りてエリートとなったビンセントは、宇宙飛行施設“ガタカ”に潜り込む。が、そんな中、彼の正体に疑いを持っていた上司の殺人事件が起こり……。

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★★★★

ディストピア世界自体の描写は、さすがにちょっと古さを感じるものの、生まれによって人生が決定するというシチュエーション自体は、かつての身分制度だと考えれば分かりやすい。

ビンセントは遺伝子的にも全く劣っており、この世界で未来は閉ざされている。

しかし、彼は夢を諦めなかった 。

逆に、ジェロームは遺伝子的には優秀、輝かしい未来が待っているのに、事故ですべてを失ってしまった。

この正反対の二人が出会い、入れ替わることで、ガタカのシステムへと挑戦、もしくは復讐していくことになるわけだが、最初はビジネスライクだった二人の間に共犯からの友情が芽生えていく展開がお見事だった。

特に夢を失ってすべてに絶望していただろうジェロームが、ビンセントによって自分の夢を叶えていくことは、きっとどんどん生きる希望を与えられていき、ジェロームにとってビンセント自身が夢そのものになっていったのだろう。

 

この二人のブロマンス的な関係性という観点からも、最後まで身悶えするような切なく美しい映画だった。

 

以下ネタバレ

 

 

ゆえに、ビンセント自身が自分の夢になったからこそ、ジェローム自身が自分の命を投げ出していく展開が切なかった。ジェロームは、ビンセントの夢となって生き続ける。でも、ビンセントはきっとそんなことは望んでなかっただろうし、最後にビンセントを見逃した医者といい、数値上の遺伝子データではなく本人そのものの努力を理解する存在、そして上っていくロケットに象徴されるのは、希望であったはずだ。

まさに、泣いた赤鬼の青鬼というか、でもジェロームはずっと生きながら死んでいた状態で、希望を初めて誰かの中に抱いた時に自ら本物の死を選ぶという展開がとにかくやるせなくて。

だからこそ美しく、心に残る映画であったと思う。