映画/シェフ 三ツ星フードトラック始めました
面白かったー!
話自体はとてもベタで、創作意欲にあふれた腕利きのシェフが、ゴリゴリの保守的なオーナーの方針で自分のやりたいようにやれず不満を抱いていたところ、料理ブロガーにその痛いところを突かれてTwitterで炎上騒ぎを起こし、レストランにいられなくなる……。そして元妻から提案されていたフードトラック業を始めることに。
これは多分、お客のニーズに応えることと本当にやりたいこととの板挟みになった、クリエイターとしての監督の背景を考えて観るべきなのかもしれないけれど、それは置いておいても、やはり求められることとやりたいことで板挟みになる苦悩は誰にでも共感しやすいテーマなのだと思う。*1
そして、仕事にかまけていてコミュニケーション不足だった息子と、前の職場での仲間と、元妻の協力とでチームが出来上がっていく楽しさはやはり何度観ても楽しいだと思う。そういう意味では、客が求めるものもやりたいことも、本来はそれほど大きな違いはないかもしれない。
それにしても、作れなかった料理を作るシーンや、フードトラックでサンドイッチを作るシーン、どれも美味しそうで大層な飯テロでした。
あと、Twitterが拡散していくシーン、例の効果音と青い鳥が一斉に飛んで行く描写は、とても良かった。まさに幸せを呼ぶという感じで。最初はキャスパーを窮地に追いやったツールだったことを思うと、炎上に至る描写がいかにもあるあるで、使い方がとても上手いと感じた。
ところで、ロバート・ダウニーJrの元夫、カールと同じく全然話を聞かないで一方的にしゃべるタイプで、元妻の男の趣味が似ているのに笑ってしまった。
*1:やはり、この映画で一番やりたかったことは、レストランで批評家を怒鳴りつけるセリフだろうなあ……