山盛りごはん三杯

映画、ドラマ鑑賞記録

her/世界でひとつの彼女

her.asmik-ace.co.jp

AIとの恋愛、という簡単な解説でありがちな二次元彼女との恋愛ものかなと思いきや、こういう切り口で恋愛というものの本質を描くのか、とまさにSFだからこそ描ける素敵な映画でした。

会話のやり取りが大変耳に心地よく、あっという間にのめり込んでしまったのですが、これアカデミー賞脚本賞受賞作だったのですね。さもありなん。映像もセンスの良い色使いで目にも優しく、気持ちのよい会話がかわされてて(最初の出会い系サイトで出会った女性との会話でのSEXのやり取りが一転するところは爆笑しましたが)、最後まで楽しく見られました。二回も見てしまいましたよ。

セオドアとサマンサの初めは人間とAI(それこそSIRIとの会話みたいな)の会話から、どんどん二人の男女が心を通わせ、恋に落ちていく過程を観ていると、恋愛に必要なものってお互いの理解が大事で、必ずしも容姿や身体は必要ないのかもしれないと考えておりました。

しかし肉体がないからこそ、恋愛感情による成長がどんどん哲学的というか、ひとつのステージみたいなものを越えて行ってしまうという過程はなんとも切ない。

会話によって深まっていく恋愛が最終的に到達するもの。

紙の本でたとえられた、サマンサのセオドアへの恋の定義がなんとも美しく、そしてSFだからこそ描けた愛の境地に、SFというジャンルはかくもロマンティックなストーリーを紡げるのだなあと、久しぶりに思った、そんな素晴らしい映画でありました。