映画/黒執事
「TIGER&BUNNY」のさとうけいいち監督が共同監督として名前を連ねていたのと、何より久しぶりの役者としての水嶋ヒロが観られる! ということで、楽しみにしていました。
なお原作は未読で、アニメは一回観ただけです。
以下ネタバレあり
ストーリー自体は、展開が二転三転するものの、それほど複雑ではなく、犯人もある程度読めるのですが、清玄ぼっちゃんが、タイバニのバニーを彷彿とさせるキャラで心の中でニヤニヤしながら観てしまいました。意外とこの清玄ぼっちゃんの正義感の強い純粋なキャラクターが好感が持てたので、物語へすんなりと入り込めたと思います。剛力彩芽のすっきりとした造形が、清玄というキャラにとてもハマっていたのではないでしょうか。
最後の爆弾を抱えて一人で処理しようとする必死な姿は、復讐鬼としての激しい感情を見せていた彼女の、本当の姿が思わず現れてしまったようで、切なく凛々しい女性として映画見る前より、好きになりました。
ヒロの執事は美しく華麗で、こういうヒロが観たかったのよ! と心のなかで腕振ってました。
最初ビジュアルを観た時は「…………え」って感じで、やはり人前に出ないと垢抜けなくなるんだなと実は心の中で涙流してましたが、平成ライダーもかくのごとく、動いたら美しくかっこ良くて、叫べるもんならスクリーンに向かって声援を送りたいぐらいでした。
アクションについては「カブト」や「ドロップ」で観て全く心配をしてなかったのですが、人外の執事らしい不思議でスタイリッシュな動きのアクションが素晴らしかったですね。
アクションに関してはさとう監督がコンテを切ったらしいですが、ヒロにしろ、メイドのガン=カタにしろ、どれも流れるような動きを重視してて、あまり泥臭くなかったですね。無機質な動きというか、ゆえに世界観にとてもあったアクションだったと思います。
一番印象に残ったのは、メイドのリンですね。キャラとしてもとても美味しいキャラで、彼女だけが清玄の本名を呼ぶところで、涙がこみ上げてきました。ああいう、人生をただ一人の人のためだけに捧げてるキャラに最近弱いんですよね。
概ね不満は無いのですが、清玄の回想シーンが、必要なのは分かるけどもちとくどかった印象。ストーリー自体はさくさくと進んでる分、そこまで何度も似た場面を流さなくていいのになあと。
あとは、優香の胸の谷間がセクシーだったとか、ヤスケンが無駄遣いだったとか、本当の犯人の出し方が「ウロ……ボロス……」っぽかったとか、色々ありましたが、映画として観れば結構楽しめた作品だったと思います。