ドラマ/メゾン・ド・ポリス #2
感想を言う前にひとこと愚痴らせて欲しい。
なんで、「トクサツガガガ」と時間かぶってるんだ…。TLがカオスになってるじゃないか。
では本題。
独居老人がトイレでガス自殺をしているのが発見された。目張りされたドア、玄関は施錠されており、現場の状況から自殺と断定されたが、牧野ひよりは宅内の様子に違和感を覚え、他殺を疑う。
被害者がボランティアをしていた小学校のPTAへ話が進み、そこから思わぬ真実が……。
ここの小学校、PTA会長はやりたい人がいたのに、こんな事件が起こってしまって、この後PTA会長や役員選挙が大変だろうなあ…と事件の経過についてはぼんやり思いながら見ていたら、最後犯人が
「この夫はフリー素材よ!!!」
と叫んだのになんか全部持っていかれた。腹筋が死んだ。
このドラマ、割とありがちそうな刑事モノに見せかけて、所々で変なツボを押してくるんですよね。前回の犯人親子も斜め上に癖の強いキャラで、「アンナチュラル」のような洋ドラ風のスタイリッシュさはないんだけど、油断ならない描写をところどころで投げてくる。
夏目と牧野の夫婦偽装するところも、ここで夏目に「牧野、結婚するぞ」と言わせる、セリフのセンスも好きです。ここで夏目が「夫婦に偽装してママさんたちから聞き出そう」って言ってもいいんだけど、前者の言い方の方が断然洒落てるよね。
その後、牧野が飲み屋で
「夫婦じゃなくて親子だろうが!!!」
と管を巻くシーン最高でした。高畑充希ちゃんと西島秀俊さんの年齢差に引っ掛けたギャグでしょうが、ここに二人が「とと姉ちゃん」で親子役だったこともかけてますよね。こういうお遊び楽しいです。
さてさて、気になるのは、牧野の回想。
彼女がどうも家族を亡くしてるっぽいのと、「警察が自殺と認定されても違うことがあるんですね」と呟いてることから判断すると、牧野はどうも「アンナチュラル」のミコトと同じく心中の生き残りじゃないかと思われるのですが…。
そしておそらく伊達さんはそのことを知ってる模様。牧野の過去はこの先ドラマに絡んでいくんですかね。
あと、もう一つ気になるのが小日向さん演じる高平さんが字幕出すとメインキャラと同じく黄色なんですよね(伊達さんは白)。高平さんは今の所かわいいおじさん家政夫さんポジションから出てないみたいなんですが、これからもっと物語の中心に出てくるのか……?
ドラマ/ハケン占い師アタル
タイトルから占い師のアタル嬢が職場に派遣されて占うのかなと思ったら、「派遣の的場アタルは実は天才占い師である!」 の方でした。
全く仕事はしたことがない、というアタルは任される仕事ひとつひとつを楽しそうにこなしてて、杉咲花ちゃんの笑顔がとてもかわいい。「喜んで」「嬉しい」と何かを頼まれるたびに、きれいな言葉を返す感じのいい女の子なんですよね。
ああ、私も人に仕事を頼まれて「あぁん?」「ちっ」とかネガティブな反応してないで、少し彼女を見習ったほうがいいかもしれない…。
一方、志田未来演じる神田和実も、話しかけられたり仕事を命じられたりしたときに、笑顔で応じるのだけど、アタルとは何かが違うんですよね*1。
あくまでも職場の雰囲気を壊したくない、本心を出して叱られたくない。それは同棲してる彼氏に対しても同じで、妊娠という二人にとっての喜ばしいはずの出来事ですら、口にだすことが出来ない。その上、決断力がない。まあ見ててもどかしい。
小学校時代、和実は友達の和に入ろうとして、皆に合わせようとひたすら笑顔でいようとしたのだけど、その笑顔が本心ではないことを感じ取られてしまって、逆に「くさい」といじめにつながってしまったのが、小学生女子にありそうで切なかったですね。
最初の躓きがずっと和実を苦しめることになってしまった。
でも、確かに和実は優柔不断な女性なのだけど、その優柔不断さは、他人に対しての気遣いゆえにじっくり考えるという長所でもあるのですね。
アタルの占いのシーンは、占い*2と言うより説教のように見えたけど、ただ和実の短所だけをあげつらうのではなく、優柔不断に見えるほど相手のことを考えるところが転じて長所となって、仕事の大失敗を挽回することが出来たのは安堵しました。
ところどころで、和実を見るアタルがとても優しい笑顔を見せていたので、ひどい展開にはならないだろうなあとは思っていたけど。
公式には、「あなたにも絶対いいところがある」というキャッチコピーが書かれているので、これから和実たちのチームのひとりひとりが取り上げられていくんでしょうね。
今の所確かに一見駄目に見えたり、一緒に仕事したくないって思える人ばかりだけど、でも和実の彼氏みたいに全部駄目って感じではなさそう。
むしろ長所が短所になってしまってるように思えるので、彼らひとりひとりがアタルの占いによって変わっていく展開が楽しみです*3。
来週は、間宮祥太朗演じるコネ入社の目黒円。やたらポジティブだけど仕事が出来ないっぽい? 彼が一体どう変わる?
それにしても、ラスト和実とアタルが友達になったのはいいですね。もう二人で結婚しちゃえばいいんじゃないかな。子供もいるし。
ドラマ/3年A組─今から皆さんは、人質です─
脚本が仮面ライダービルドの武藤さんで、「半分、青い。」で演技が素晴らしかった永野芽郁ちゃんの朝ドラ後初主演ということでしたが、バトルロワイヤルものはあまり好きじゃないしなあ…とちょっと視聴を迷いつつも、TwitterのTLで好評だったのでTverにて視聴。
や、面白いじゃないですか。
先生役の菅田将暉が生徒を処刑するような胸糞悪い話だったら、視聴をやめるつもりでした。
でも、自殺したクラスメイトの景山澪奈の死の真相を追求していくうちに、今までクラスのパシリ扱いだった主人公の茅野さくらが澪奈を失った悔恨と怒りを爆発させたところで、このドラマがやりたいことは生徒を処刑することでも、復讐でもないとわかったんですよね。
水泳の全国大会で優勝するレベルの、学園一の有名人で美少女の澪奈。彼女がなぜ自殺してしまったのか。一颯は確かに担任だけど、生徒たちを監禁してまで真実を追求しようとしているのはなぜなのか。
そして、生徒たちのやり取りからすでにいなくなってしまった澪奈の人となりが浮かび上がってくる……。
先生が生徒たちを人質に取って監禁する…という設定から、何がしかの作品からインスパイアされたのではないかと具体的な作品名が上がっているようですが、私が思い出したのは「レベッカ」とか、「彼女が死んじゃった。」でした。
両作とも、死んだ人を周囲の語りによって浮き上がらせる物語で、実は私はこういう語り方の物語が大好きなんですね*1
今作も一颯と生徒たちの命を賭けた丁々発止のやり取りから、生徒とすでに死んでしまった景山澪奈の人となりが強く浮かび上がって来る仕掛けになっています。
色んな人がそれぞれの立場で語ることで「景山澪奈」という人格が多層的に浮かび上がってくる。一人の人間の様々な一面が見ることが出来てとても興味深い。それは本人すらも意識してない部分もあったりします。
それでも、他人が語る以上、本人のすべてを語り尽くすことはできないんですよね。嫌という程そこで感じるのは本人の不在。ある意味、その人の魂の部分というか、それは永遠に失われてしまっているものだと改めて認識させられる。
このドラマが終わるときに、私達は「景山澪奈」についての話から何を得ることが出来るのか。
先生たちや警察、そしてSNSも巻き込まれてるということは、視聴者もまた当事者としてドラマに参加させられてるのかもしれない。
最初に殺された彼は、第二話で本当は殺されてない可能性が出てきました。
これは第一話終了時に「実は死んでいないのでは?」という推理がすでに出ていたのですが、それを読んだように答えが出てくるのはさすが。そこは謎として引っ張らないようですが、ならなぜ「彼」は一颯に協力しているのか……?
澪奈の死にはSNSに投稿されたドーピング疑惑の映像が関わってるようですが、その投稿をした宇佐見には誰かが悪意を持って加工した動画を渡したものがいる……。
謎が解決されたらまた新たな謎。二話にして展開の早いこと。続きが楽しみです。
映画/劇場版「Fate/stay night [Heaven's Feel]」 Ⅱ.lost butterfly
2019年の初映画はこちらです。
原作未プレイ、アニメはFate/Zeroからいきなり観て、その後Fate/stay night[Unlimited Blade Works]を視聴というかなりあかん入り方をしてしまってます。
最初からネタバレ全開。これはちょっと惜しいことをしましたね…。
そんなわけで感想が難しいんですけども、桜はあまり好きじゃないんですよね。彼女の人生どん詰まり状態が観ててほんとしんどい。ベタベタなほど守ってほしい女の子らしさを身に着けたのが、女の人生ハードモードを歩んでるからというのがとにかくしんどい。
その彼女が士郎を求めるのはわかるんだけど、同業他社のこの男はあかんで…とも思う。もっと彼女とは無関係な場所にいる人の方がいいような気もするし、むしろ男を切り捨てて生きてってほしい気もする。
しんどいといえば慎二もしんどかったですねえ。桜を追い詰めた言葉は本当は言いたくなかっただろうってこともわかるし、本当に桜のことが好きだったからこそ出た執着の言葉とも取れるし。んで、桜もちゃんとしたアプローチであれば慎二のことを好きになったのではないかと思えるのがまた…。
最終章を見るのが楽しみです。
映画/DTC ─湯けむり純情篇─ from HiGH&LOW
https://high-low.jp/movies/dtc/
『DTC -湯けむり純情篇- from HiGH&LOW』予告
見てまいりました。
私には旅と温泉と人情話が不足してたんや……!
ハイローといえば、ド派手な集団バトルとアクションが見どころなんですが、今回は本当に全くなし。
ダンとテッツとチヒロがバイクに乗って三人であてのない旅に出たものの、お金がなくなって住み込みのバイト先で、お世話になった女将さんと番頭の結婚に人肌脱ぐという、ベタもベタな人情話です。
でもこれがめっぽう面白かったです。スピンオフじゃなければ、周囲に見に行けってお勧めしたいぐらい。(完全スピンオフなので、ハイローミリしらでも大丈夫とは思いますが)。
若いお兄ちゃん三人で、今しか体験できないことをしたいと、バイクで旅に出るってだけで眩しいですよ。
ハイロー本編では渋い声でナレーションを担当されてた立木文彦さん本人が出てくるのですが、すごく良いお仕事されてます。改めてハイローは立木文彦さんのナレあってだったんだなと。
それはそれとして、あのカラオケのシーン、歌詞で腹筋死にかけました……。
映画の宣伝で、天野浩成さんが縦笛吹いてるのを見て、これは一体と思って見に行ったのですが、もうもう天野さんが天野さんで、天野さんを正しく使ってて、笑い死ぬかと思いました。ブレイドからこの方、天野さんつぼったのは久しぶりです。最高。
駿河太郎も良かったですね。歌って踊れる番頭さん。この人こういう育ちの良い真面目な男がハマりますねえ。
新井美羽ちゃん*1もほんとかわいくて、亡き父と番頭さんとの間で気持ちが揺れ動いてるのがいじらしかったです。
ドレスアップした美羽ちゃんを亡き父が残したアメ車のオープンカーの助手席に乗せて、スーツ姿のDTCの三人と海辺の道を疾走していくシーンがほんと素敵で、観客が観たいシーンをきっちり観せてくれる親切な作りでした。
クライマックスのシーンもほんとキュートで、胸がキュンキュンしました。HiGH&LOWなのに! そのあとの番頭さんが愛ちゃんに言う言葉に胸が熱くなって号泣。HiGH&LOWなのに!!!
スピンオフとは言え、旅と出会いと、人情とお節介と友情とダンスと。とても正統派な青春ロードムービーを観たという感じで、気持ちのいい映画を観た満足感でいっぱいになりました。
あと、この映画見た後、カップラーメンめちゃくちゃ食べたくなりますね。*2
映画/カメラを止めるな!
TwitterのTLで「面白い」という評判がちらほらと流れて来るようになった。TLにはいろんな作品の評判が川のように流れてくるのだけど、カメ止めはなぜか目に止まるようになってきた。だいたいこういう場合、私のTLの評判に裏切られることはまずないんだよね。
調べてみたところ、東海地方ではシネマスコーレでしか公開してなかったのだけど、連日満員とのこと。これは観るのは無理かなーと思っていたら、あっという間に上映が拡大。TOHOシネマズ名古屋ベイシティでも上映されるとのことで、あおなみ線に乗ってお出かけしてきた。
さて、事前情報では「ゾンビ映画を撮ろうとした映画チームの元に本物のゾンビが現れる」「冒頭37分ワンカット」ぐらい。それ以上は皆、何かの信仰ですかってぐらい、観てきた人の口が堅い。
じゃあまあそれ以上知らなくてもええんですねと。
レディースデーだったんだけど、普段ガラガラのベイシティの箱がほぼ満員。もしかしてと思って前もって予約入れといたけど正解。なお女性だけじゃなく男性もたくさんいらしたので、レディースデー効果ではなかったと思う。
さて、内容に関しては、とても面白かった。ただこれは確かに大作映画とは違う種類の面白さだと思う。
ほぼ満員の劇場は最初のうちこそ緊張していたものの、とある掛け声が聞こえるようになってきてから、こらえきれず吹き出す人が増え、後半は爆笑につぐ爆笑。映画館であれだけ観客が一体になって笑ったのは久しぶりじゃないかな。
面白さの距離が自分にとても近いというか。テレビドラマの近しさともまた違う、自分との物語の近さや、重なるものを感じた。
多くの人を惹き付けてるのは、この物語で描かれてるドラマは自分の中に確かにあったものだと、思い出すからじゃないだろうか。
あと、なんといっても、物語は「構成」と「人物描写」が肝だとつくづく思った。
構成の見事さは後述するとして、人物描写、これが素晴らしい。短い描写でこの人がどういう人かということを表現し、どういう行動をこの状況で取るのか、ということがきちんと観客に伝わっている。
だからこそ後半の盛り上がりに繋がるわけで、その人物の過去をずらずら書き連ねなくても、必要な部分を適格に表現すれば、どんな人物かちゃんと分かる。
出来上がったドラマは、きれいに刈り込まれた植木が配置された美しい庭になる。
……と、ネタバレ無しで映画をおすすめするのは難しいのだけど、なんでゾンビもので自分への近しさを感じるのか? と思われた方は、ここまでで劇場へお出かけしてほしい。
では、以下ネタバレ。
*1:ただ、ゾンビもの苦手なんだけど、みんな見に行ってるし気になる…って方はちょっと感想をのぞいてもいいかもしれないです。個人的にはネタバレなしで観てほしいけど、グロやゴア表現が気になる人は、仕方ないと思う…。なお、映画自体は全年齢です。あれだけ血が飛んでてもPGつかないんですねえ…
*2:あと、ハンディカメラ使ってるので画面酔いを起こす人がおられる模様なのでご注意を。