山盛りごはん三杯

映画、ドラマ鑑賞記録

映画/今夜、ロマンス劇場で

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太平洋戦争が終わり、日本映画黄金時代。映画監督を夢見る青年・健司は、ロマンス劇場で見つけた戦前のモノクロ映画に出てくる美雪というお姫様に恋をしていた。

ある嵐の夜、いつものように美雪の出てくる映画を観ていた健司は、雷が落ちたあと、彼女が映画館にいるのに気づく──…。

一方現代、ある病院に一人の品の良い男性が入院していた。孫にぞんざいに扱われている彼に、看護師の吉川は興味を惹かれるが……。

 

 

監督志望の青年の前に、大好きな映画のヒロインが現れて恋をする。

色のない世界からやってきた、誇り高く、強くて美しい姫君は、目に映るものすべてに魅せられて、目を輝かせていた。ただでさえ映画の中の姫君が好きだった彼には、目の前に肉体を持って現れた彼女にもっともっと惹かれないはずはない。

この世界を知らない彼女に世界を伝える行為は、健司にもう一度世界を発見し、好きになることでもあった。彼女のいる世界の美しさを、健司は知ってしまった。

だけど、この幸せな時間はいつまで続くのか。姫には健司が知らない、ある大きな秘密があった……。

 

以下、ネタバレ。

 

 

予告から綾瀬はるかの美しさを愛でる映画かと思いきや(もちろんそれもあるのですが)、同時に、映画というエンターテイメントを愛する映画でもありました。

次々と作られていく映画は、時間とともにほとんどは忘れられて、残るのはほんの僅かな作品だとつぶやくロマンス劇場の劇場主の言葉が一番胸に響きました。

病室の老人が健司なのはすぐに分かりますが、彼の孫の正体は最後まで気づかなくて、姿を現したときはまさかとなりました。これはやられた。

二人が過ごした日々は具体的に描かれませんでしたが、たとえ触れ合うことが出来なくても、美しく幸せな日々であったことがわかるんですよね。だって、加藤剛さんのあのノーブルな佇まい観ればわかるじゃないですか。

坂口健太郎もそういう点では、ああこの人は綾瀬はるかがいるだけで人生楽しく過ごしただろうって思えるんですよね。この辺完全にキャストが物語をきちんと補完して説得力を与えてるのが素晴らしかったです。ちょっとでも下衆っぽかったり、色気を見せたら駄目なんですよね。これこそキャスティングの勝利だと思います。

 

現実では、映画の黄金時代が過ぎても、どこかの世界でああやって映画人たちが集まって、健司と美雪を祝福している。ここのところ訃報が続いていたせいか、どこかにあんな場所があるといいなと、改めて思います……。