山盛りごはん三杯

映画、ドラマ鑑賞記録

映画/エターナル・サンシャイン

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ジョエル(ジム・キャリー)は、別れた恋人・クレメンタイン(ケイト・ウィンスレット)が自分との思い出を消すために記憶除去手術を受けたことを知り、自分もその手術を試すが……。

シネマトゥデイ 

 ★★★★★

 

一時のケンカで恋人の記憶を消してしまったものの、その記憶を取り戻すことで、二人が再びお互いのかけがえのなさを確認するハートフルストーリー

……だと思ったら、(いや、そう言う話ではあるんだけど)違った。

SF的な構成の妙が冴える、歯応えのある映画だったと思う。

記憶の中の出来事と、現実の出来事、そして記憶を消すための会社の社員たちと博士と、シンプルなストーリーかと思いきや、恋にまつわる辛い記憶と、それを消すことで辛さは解消されるのかという問いが、主人公二人ではなく、思わぬ方向へ飛び火しジョエルの記憶の中だけの狭い物語だけでなく、外でも繰り広げられていくのが意外だった。

ジョエルとクレメンタインの関係を掘り下げるというより、視点がもう少し上に設定されていて、決してハッピーだけではない恋人との日々を俯瞰的に描いていて、二人に共感しながら情緒的に観るというより、構成が練りに練られたクールなタイプの作品だったと思う。なので、耽溺して観るというより、二人(と記憶消去会社の社員たち)を観察するというタイプの展開なので、恋愛ものを期待すると肩透かしになるのではあるまいか。

 

ただ、メアリーの描写によって、恋愛感情のかけがえのなさと厄介さは恋愛映画としてしっかり主張されていたと思う。メアリーこそがこの映画のテーマを体現する存在なのだと思う。最初はなんだこの女と思ったけれど、彼女の事情が明かされた時にこの映画のテーマが鮮やかに浮かび上がって、鳥肌が立った。

 

ジョエルとクレメンタインの行く末も、感動的なハッピーエンドという盛り上がる演出はなされていない。でも、平凡で何事もなく、時々痛みもあって、時々辛いこともあって、腹が立つこともあって、でも時々記憶の中で何よりも輝く瞬間がある……

恋愛っていい、と最後に思える、恋愛映画として良い仕事をした作品だったと思う。