映画/(500)日のサマー
運命の恋を信じる男と信じない女が繰り広げる、ちょっぴりほろ苦くてユニークな恋愛コメディー。『セントアンナの奇跡』のジョセフ・ゴードン=レヴィットふんする男性の視点から、愛する人との異なる恋愛観に翻弄(ほんろう)される20代の男のリアルな姿をつづる。キュートな相手役には、『ハプニング』のゾーイ・デシャネル。初メガホンを取ったマーク・ウェブ監督はミュージック・ビデオ出身らしく、音楽から会話に至るまでセンスのいい演出が際立つ。
★★★★
ここのところ私には情緒が足りないかもしれない、ということでちょっと恋愛映画月間で。
しかし、恋愛映画のお勧めってなんだ? とまずアンテナ低、めっちゃ低ってレベルだったので、Google先生に「恋愛映画 おすすめ」で検索したところ、複数のサイトでこの作品が上がっていたので観てみました。
主演の顔が、ARATAとディーン・フジオカと坂口健太郎を足して割ったような感じで、割りと好みだったんですが、調べてみたら年末から映画館の予告でしょっちゅう観てた
映画『ザ・ウォーク』 | オフィシャルサイト | ソニー・ピクチャーズ の主演の人ではないですか。どうりで、なんか親しみがある感じしたんだ……。*1
内容は、主人公のトムとサマーの恋愛の500日を描いたという、タイトル通りの話なのですが、時系列がバラバラなんですね。
しかし、時系列が結構飛んでる割に、いつどこでどうなったか、というのがすんなり入って来て全く混乱することがなく最後まで観れたのはさすがでした。
映像もオシャレで、トムとサマーの想いが重なってる時とすれ違いの描写が、日にちの変化を入れ替えることでより際立つようにわかりやすく描写されてたと思います。ところどころ、映像に気合が入り過ぎたり、やり過ぎではと思うところもあったのですが、これが初監督作品と聞いて納得。そう思うと、微笑ましくなります。
以下ネタバレ
運命を信じるトムと現実的なサマーのすれ違いは、若さゆえのまっすぐな理屈とコントロールできない感情の違いがそのままぶつかり合ってしまった感じで、お互いにちょっと割り切ればいいのに……と思いつつも、それが二人の結ばれない理由でもあったんでしょうね。
トムの信じる運命の恋は、サマーとの別れで否定されたと思いきや、サマー本人が運命の恋を受け入れちゃったからこそ、本当は存在した、という皮肉がこの映画の最骨頂ですね。
でも、トムとの別れがあったから、逆にサマーは運命を受け入れる気になったのかもしれない。トムはサマーとの別れがあったから、運命に任せてないで、一歩自分で行動に出ることを覚えたのかもしれない。
恋愛というのは運命でもあり、現実でもある。そのどちらかでもありどちらかでもない、それを二人が学ぶための失敗するための恋だったかもしれない。
それでも、二人の出会いと恋の盛り上がりと、終わりに向かっていく姿が、時系列を入れ替えてる分、客観的に観せられていたせいか感情移入するよりも、考えさせられる方向になっていたせいか、小粋な雰囲気を保ったまま最後までメロドラマにならずに、クールなまま引っ張っていったなと思います。
登場人物との距離感がほどよくて、心地よく楽しめた、ほろ苦くもかわいらしい映画でありました。
*1:でも、超高所恐怖症なのであの映画は観られませんw