山盛りごはん三杯

映画鑑賞記録

映画/月の輝く夜に

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 ニューヨーク・ブルックリンのイタリア系社会の人間模様を、暖かい眼差しで描くロマンチック・コメディ。シェールは未亡人。ちょっとヤクザな幼なじみ(D・アイエロ)のプロポーズを受けるが、彼が母の危篤で故郷シシリーへ帰る間に、その弟(N・ケイジ)と出来てしまう。そのうち二人、本気になっていって胸をかきむしる訳だが……。

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 ★★★★★

面白かった。あらすじだけ読むとドロドロした印象なんですが、恋愛物のツボをしっかり押さえつつも、鬱陶しさはほとんどなく、ヒロインのシェールやロニーの行動に眉をひそめることもなく、ご都合主義的なとこも気にならずに観れてしまったんですよね。

シェールもロニーもいろいろこじらせてるものも多く、夫の突然の死や事故で手を失う不幸から、自分の人生にはいいことなんて起きっこないと諦めてる。しかしこの二人がひょんなことから出会って、結婚式への出席するしないから互いの不幸と言い分を主張しあっているうちにキスしてしまって、そのまま恋に至る展開にいつの間にか引き込まれてた。それどころか、この二人が結ばれればいいのにと気づいたら応援してる。

そして、主人公二人の恋愛を主旋律に描きながら、その伴奏のようにシェールの父親の浮気と母親の苦悩が描かれ、単なる衝動の恋愛だけでなく長く続く夫婦愛の挫折と再生で、恋の奥行きを出していたのが良かったのだろうと思う。

夫の死によって、もう自分は恋愛から遠い場所にいる、結婚も単なる生活と社会的な常識によって行うだけ、と人生をある意味諦めていたシェールが、ロニーとの最後のデートのために、髪を染め、ドレスを買い、オペラに向かう。同時に、手を失ったことでやはり人生を諦めていたロニーもパン職人からタキシードを着た紳士に変わって、愛する人を待つシーンの不安と期待に入り混じった恋の始まりのドキドキ感がすごく素敵だった。

二人が恋によって取り戻したものは、人生への希望だったのだろう。とても観ていていじらしく、かわいらしい映画だったと思う。