映画/SHINOBI
江戸時代、人里離れた2つの里には、かつて対立し合っていた忍たちが暮していた。互いに接触を避けている中、それぞれの忍の後継者である弦之介(オダギリジョー)と朧(仲間由紀恵)は運命的な恋に落ちるが……。
★★
GYAO! にて視聴。
そうねえ……俳優は良かったと思うんだが……
原作は未読なので置いとくとして、これ、やりたいのは「ロミオとジュリエット」ですよね。
で、ロミオとジュリエットって、何を書いてるかというと、敵味方に離れた恋人たちの悲劇ではなく、実は初恋っていいよね、なんですよね。
十代の無鉄砲で純粋な初恋の良さや、初恋あるある、それをきちんと描いて観客をしっかり二人に共感させてるからこそ、幸せになって欲しい二人が悲劇に突っ走っていくドラマが観るものの心を強く惹きつけるわけです。
だけどこの映画では、二人はラブラブです、でも二人は敵同士の里の棟梁の孫です、だから戦わなければいけません、と設定が説明されるだけで、二人の恋がどんなものかほとんど描写されない。オダギリのあすなろ抱きだけでは、単に盛ってるだけじゃんぐらいにしか思えない。
まあロミジュリはおまけみたいなもので、山風作品らしいトンデモ忍者対決……
というには結局アクションは坂口拓と虎牙光揮のバトルだけで、それは悪くなかったけど、この二人のアクションだけしかないので見どころとしては今ひとつバリエーションが足りず、物足りなかった。*1
アイドル映画的な恋愛ものの作りにするなら、やはりもっと弦之介と朧の心情描写やすれ違いを書くべきだと思う。もしくはアクションを中心に描くなら、弦之介も朧ももっとメインでアクションさせるべきではなかろうか。
だいたい、クライマックスの弦之介と朧の対決、思いっ切りハアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア??? と叫んじゃいましたよ。
その後の朧の行動も不可解。
この恋人たちも忍者たちもどれとっても持て余したようにしか見えない映画で、とにかくオダギリがどう見てもミスキャストにしか見えないのはファン的には辛かったですね。もっと主人公二人は若いアイドルにした方が、映画としては分かりやすい良作になったんじゃないかと思うんですが…