映画/007 Spectre
★★★★
今度から、評価を★でつけることにしました。満点は5個で。
導入部の長回し、なかなか面白い手法で、おっとなりました。
メキシコの死者の日のお祭りの迫力もすごかったんですが、その群衆の中を歩いてくる仮面をつけたターゲット相手と、すれ違う女連れの同じく仮面をつけたボンド、そのままカメラはボンドの後を追い、ずっと長回しで彼が歩いて行く後を追いかけていく……というのは導入としてはとてもスムーズに入りやすかったです。
そして、相手を撃ったらビルがぶっ壊れて……ってドリフか! ってぐらい無茶苦茶に物が壊れるわ、ヘリは大広場の群衆の上をアクロバット飛行するわ、なんだかよく分からないうちに完全にのせられちゃった、という感じです。
映画自体も最後までそんな風でしたね。
とはいえ、OPのタコでちょっと我に返っちゃったのが残念でした。
誰や、スペクターのモチーフが日干しのタコの干物って言ったやつは。
あと、Qの出番がめちゃくちゃ増えてて、Q目当てで観に行ったものとしてはこれで割りと元を取った感じです。Qのポスターの彼の佇まい、本当にいいですよね。007のちょい古いマッチョ感のある世界観の中、彼だけが異質な雰囲気を出してる。今日日、007だからってどこ行っても女性口説いて落としてばかりなのも、そろそろ違うよな……ってとこを救うのがQとマネー・ペインじゃないかという気がします。二人共今風のキャラですよね。
Qが部屋を出て、ボンドを訪ねて遠くまでやってきたのはいいものの、敵方に狙われた時の「Q、前、前!」とか、あそこが一番映画の中で手に汗を握りました。
マネー・ペインも夜中に彼氏と一緒にいるところへボンドさんが連絡取ってきたけど、ボンドさんが「友達がなんで夜中にいるんだ」と自分を棚に上げて突っ込んでるあたり、お父さんぽくて良かった。恋愛展開より、若者たちのお父さんポジのボンドさんの方が珍しい感じで、こっちの方が楽しいと思う。
以下はネタバレで
シャーロックのモリアーティことCのアンドリュー・スコット。
絶対この人黒幕だよねと思ったら本当に黒幕で、いや……もう少しひねろ? という感じだったんですが、日本だとこのポジションは誰だろう。
しかし、Cはビルから落ちて死んだけど、オーベルハウザーが逮捕になったのは、製作側の正義のありどころはどこにあったのかなあと気になりました。
やっぱり宿敵として初めからボンドと敵対するのは、筋を通してるってことになるけど、CはMたちを裏切っていたということで死を持って償うべきって考えなのかな。裏切りは確かにキリスト教的には厳しそうだし。
キャラの死には物語上の意味が必ずあるはずなので、見終わったあとそこを考えておりました。
最後、マドレーヌと去ったのかと思いきや、Qのところにやってきて、まさかQを選んだのかと一瞬腐った脳が期待したのですがやっぱそんなことはなかった。
しかも009の車ダイブさせておいて、自分のアストンマーチンを持って帰るあたりのボンドさんの面の皮の厚さすごいです。
これで最後、とおもいきや、will return だそうだし、マドレーヌとどれぐらいで別れるのか……*1
*1:別れる前提だけど、どこかでお医者さんやりながら奥さんになってるかもしれない。それだとさすがにボンドさんも次回作では女性との濡れ場はなくなるだろうし……さて?