映画/コードネーム U.N.C.L.E.
今年はスパイ映画が豊作だそうですね。
最初このタイトルでは分からなかったんですが、「0011・ナポレオン・ソロ」のリメイクと聞いて、そういえば高校時代友達が大好きでイリヤ・クリヤキンにハマってたっけというおぼろげな記憶が蘇ってきました。
冷戦時代のアメリカ人スパイとソ連人スパイがバディになる、という、その筋の方からも好評な感想をいくつも聞いていたので、少々下心持ちつつ見に行ってまいりました。
うーーーん?
物足りない……?
流血が、ケレンが、奇抜さが、ハラハラさが足りない……。
オシャンティなのはいい、センスのいい映像もいい、イケメンの絡みもバッチリだ……
でも……でも、足りない、足りないんだよ。もっと窮地に追いやってくれ! そして、もう助からないと思った相棒をギリギリのところで助けて、しっかりと抱きしめ
失礼
やはり、MI:5とかキングスマンのスピーディで派手なアクションに見慣れ過ぎたかなあ……。
時代的な制約に違和感自体はないし、レトロなアイテムの使い方も面白かったです。二人の張り合いで、ところどころくすっ、どころか爆笑しちゃうシーンもいっぱいあったんですが、おしゃれな映像を優先するあまり、ゆったりというより、ちともたつくようなところがあって、そこで何度か引っかかった感じです。
ほんの数秒早くてもいいんじゃないか、とか。
トラックのシーンなんかは、あのスローリーな進み方が逆に笑いを誘っていたので、あれはあれで良かったんですが、やっぱり展開の速い映画に慣れちゃったせいもあるんでしょうか。
その割に、もっと描いて欲しいところがいっぱいあるような感じで、情報が足りないんですよね。
なので、見終わった後出てきた感想が、トンチキなのは承知ですが
「これ……連ドラの方がよくない?」
だったのでありました。
このドラマって多分スパイ物のスリリングさよりも、ソロとイリヤのやり取りが見せ所だと思うんですよね。相手は敵だと意地を張り合いつつも、任務遂行には協力するし、いつの間にか友情を覚えている。
映画だとその描写がどうしても掘り下げてられないので、やっぱ映画より連ドラの方が向いてると思うんですよね。
特にこの終わり方だったら、連ドラでやって、ソロとイリヤの出会いとU.N.C.L.E結成エピソードってことで、ゼロエピソードとして映画と組み合わせると良かったのになあと思います。
それと、局長(だっけ?)はちょろっと出てきただけなのに、キャラ設定美味しすぎる。もっと出すべきですよね。
良かったところは、なんといっても女性のファッション。
60年代のレトロファッションは目の保養でした。とにかく女性陣がローマの中ですごく綺麗に撮られてましたよね。
ソファで横になるソロと、その背もたれの上で横になって彼を見下ろす伯爵夫人の構図とか、ところどころ美しいカットが多かったと思います。
敵の伯爵夫人はちょっとオードリー・ヘップバーンに似た雰囲気だったんですけど、ストーリーのベースに本来一緒にいられない人間が一時休戦でともに行動する……というところでローマの休日オマージュが入ってるんでしょうねえ。
って、野郎同士でベスマにニケツというところは、笑いどころであり萌えどころでもあり。
って書いてるとなんか傑作映画のように思えてきたぞ。
これだけで終っちゃうとキャラの設定も関係性もとても勿体無い映画なのは確かなので、二作目か連ドラをやるべきだと思いますねー*1。*2
※余談ですが、レディースデーに見に行ったんですけど、観客の殆どが爺様ばかりで、あ、リアルタイム視聴者層が見に来てるのか、という感じでした。