山盛りごはん三杯

映画鑑賞記録

映画/大統領の料理人

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男性ばかりのエリゼ宮の厨房へ、かの有名なジョエル・ロブションの推薦で大統領の料理人となったオルタンスの奮闘と挫折、そして再生を描いた物語。

大統領の喜ぶ料理をひたすら求め続け、美味しい料理を作り続けるオルタンスのプライドと、画面に映る美しく美味しそうな料理の数々は目の保養でした。そしてオルタンスを慕うようになる若きパティシエとのやり取り。

自分の仕事に誇りを持って働く人は美しくかっこいい。

しかし、大統領の健康状態、料理人に理解のない事務方と、ただ美味しい料理を作ることに腐心しているオルタンスの気持ちを、誰もが理解してくれるわけじゃなく。

残念ながらこの物語はオルタンスによる旧態依然とした世界を革命していく物語ではない。だから、そういった分かりやすい逆転劇を求めると肩すかしだと思う。

ただ、救いは残されており、決して後味の悪い物語ではない。むしろ最後に涙ぐんでしまうような、希望に満ちたラストだった。

 

以下ネタバレ

 

 

事務方や栄養士の指導から、料理人として自由に、かつ最高の料理を出せなくなった彼女が、それゆえエリゼ宮を去らなければならなくなってしまった時、主厨房の男たちは快哉を叫んでいた。

それに対し、南極の基地で同じ男たちばかりの職場では、彼女が去ることを惜しむ声ばかりだった。

時系列ではなく、南極での彼女の姿とエリゼ宮での彼女と交互に描いていたのは、おそらくこの対比を描きたかったんだろうなあ、と最後に納得。エリゼ宮も南極もどちらも過酷な男たちばかりの世界であっただろうけど、彼女の料理の受け入れられ方ひとつで料理人は死んだり生きたりするのだろう。

最高の仕事をどうするかは私達の理解とリスペクトひとつなのかもしれない。