山盛りごはん三杯

映画鑑賞記録

映画/インターステラー

 


映画『インターステラー』オフィシャルサイト

 

IMAXで観てきましたが、結果的に正解でした。素晴らしかった。

 

Twitterのタイムラインでも評判がよかったので、楽しみにしてましたが、期待は裏切られなかったです。

理論物理学の専門家が監修に入っているだけあって、いろんな難しい理論が展開されてましたが、親子愛というテーマが一貫していたのと、「今何が問題なのか」「次に何をしたらいいか」ということが、所々でわかりやすく説明されていたため、物語の中で迷子にならず、最後まで退屈する間も無く3時間の長丁場を食い入るように観てしまいました。

実際のところストーリーはそれほど複雑でも無く、SF読み慣れてるせいか私はところどころ展開が読めてしまったのですが、それでもダレることもなかったし飽きることもなかったのは、ここ、という演出、映像が気持よく惹きつけられるように描かれていたからだと思います。

また、それぞれのキャラが取る行動も理由の説明や心理描写は最低限だったりしますが、違和感が無く自然で、むしろもっと彼らの気持ちを深く掘り下げて色々考えたくなってきました。

難しくなりがちな世界観と分かりやすいストーリーのバランスの取り方がとても良い仕事っぷりで、隅々まで行き届いたおもてなしを受けたような、これぞまさにSF映画の醍醐味と言えるものを満喫できた、そんな素敵な映画だったと思います。

 

 

以下ネタバレ

 

 

 

ネタバレです。

ウラシマ効果は切ないけど、ドラマティックですよね。

息子のトムからの映像で彼が成長し、彼女が出来て、子供が生まれて、亡くして、義父も死に……と流れていくシーン、クーパーの表情だけで彼が子供の人生により添えてないことの辛さが胸にしみました。

あの映像を観てる彼がどれほど地球に帰りたいか。

同時に、あの描写は単身赴任しているお父さんの姿として、誰にでも身近で共感しやすい映像になってるなあと感じました。SFではあるけれど、子供の人生の節目にそばにいられない寂しさは宇宙も地球も関係ないというか、こういう何気ないクーパーの心情描写でSFというハードルを上手に下げてるなと思います。

このトムが妻と息子が病んでいても医者に見せず、マーフの説得にも応じないで、あの家に必死で留まろうとしたのはやはり父親から「頼む」と家と農場を託されたからなのかなあ……とか、彼の行動をいろいろ想像してしまいます。

マーフは選ばれたヒーローだったけど、トムは地球のごくふつうの人間で人類を救う能力は無い。それでも必死で滅び行く地球であがいている姿の方に、俯瞰して見れば間違ったことをしていても、強く惹かれるものがありましたね。多分、あの物語の中に自分がいるとすれば、やはりトムの立場が一番近いだろうからかもしれません。

 

親子愛というともう一つ、はっきりとは明言されていませんでしたが、ブランド教授。

物語後半で、地球も人類も救えないと初めから知っていた彼だけど、娘のアメリアを宇宙へ行かせたのは、人類が滅びると知っていたからこそ彼女を恋人の元へ行かせて生き延びさせたかったんじゃないでしょうか。人類の種のためと言ってましたけど、実際は彼も親子愛というエゴを持っていたってことじゃないかなと思うんですよね。

そのブランド教授は、父親に取り残されたマーフをまるでアメリアのかわりのように見ていたようにも思えるので、なんというか業の深い人だなと思いました。そして嘘を墓場まで持っていけなかったのは、マーフへの贖罪なのか、期待と希望なのか、色々考えるとこの人やっぱり業が深いって思っちゃいますね。

 

他には、TARSがあそこまで活躍するとは思わなかった。この映画中一番のイケメンですね。

彼の真骨頂は五次元空間でのクーパーとのやり取りですが、子供時代のマーフの部屋に戻ってくるのはクーパー自身だろうということは最初のうちに予想はついてたものの、ここから時間改変に進むのか、それとも違う未来をつくるのか、どっちだろうと考えていたところでTARSが過去の改変をはっきり否定したところ、ここが一番かっこよかったです。

あそこでクーパーが宇宙に行かない改変をしたところで、世界は変わらないんですよね。

未来へ進む選択をして、そして未来が拓けた。

この映画の一番好きなところは、やり直しをして世界を変えるのではなく、前へ進むことで未来を切り開いていく。わかっている世界の修正よりも未知の世界へ向かうことを選ぶ、人類の持つフロンティアスピリッツが親子愛によって描かれたところ、そこが素晴らしかったと思います。

 

宇宙へ、未来へ――……